~ 全国連合婦人会の皆様へ ~

 かの有名なダン・ブラウン氏の「ダヴィンチ・コード」だけではなく、「墓の結社」、「聖骸布血盟」、「待ち望まれし者~マグダラのマリアによる福音書」、「待ち望まれし者~愛の書‐イエスによる福音書」等々、ざっと16冊ほどの聖書や教会の歴史をめぐるミステリーが日本語で出版されています。

 ミステリーですから、うまく書けているものも今一つのものも、興味本位やこじつけもあります。西洋史をかじった人なら、設定の鍵を容易に見つけられます。これを真実だと思い込む人は少ないでしょうが、記述の根拠に様々な「グノーシス文書」が資料として用いられています。グノーシスだからと、ミステリーにまで「異端」のレッテルを張るのは無粋というものでしょう。

  第60回大会の開会礼拝やシンポジウムの折に申し上げたのですが、日本キリスト教会の「これからの宣教」に仕えるためには、教会の内側にばかり号令をかけているだけでは駄目だと思います。まだ教会に来たことのない人、教会に反対する人や無神論を標榜する人に教会全体が語りかける必要があります。そのきっかけとして、趣味はかなり有効ではないでしょうか。趣味は興味と問題意識の糸口を、問題意識は人と人とのつながりを開きます。とは言え、相手といきなり議論したり説得したりするのでは荷が重過ぎます。それより、何が聖書やキリスト教に対する不信や興味のなさにつながっているのかの手掛かりを探すことの方が容易だと思います。この点で、ミステリーだって、楽しみながらなお、役に立ってくれます。

  様々なものを利用するとは言っても相手の分析だけでは役に立たない、こちらが語る「宣教」の中身が問題だとお思いですか。グノーシス主義と聞くだけで自分の手に余ると考え、自分には反論はおろか問題点も判らないとお考えですか。いいえ、皆さんは既にその術を良く御存知の筈です。たとえば、コリントの教会への書簡です。

 この書簡は、相手の過ちを鋭く指摘し、論理的に追い詰め、信仰的に勝利した使徒パウロ個人の論理だとお思いですか。そう思うとしたら、自分には宣教は無理という結論から逃れられません。コリントへの書簡は、教会の宣教が人間の歴史全体に対する「和解」を宣べ伝えている事実を、語る者も聞く者も、同様に受け容れるように語っています。ここで教会というとき、わたしたち自身が、今、共に体験している宣教と歴史も当然含まれています。

  そこで、キリストを宣べ伝えるという「一つの目当て」に基づいて、わたしたちの生活全部が教会の務めを担っていることを確認するためにお願いがあります。皆さんの聖書日課に、コリントの信徒への手紙一と二(コリント人への第一、第二の手紙)をぜひ加えて下さい。修養会までに読み終わっておいて下さると、今回の講演で、「真理はあなたたちを自由にする」というみことばに聞く意味がより見えて来ると思います。

 もう一つ、皆さんの教会生活の記憶を、断片的なものから歴史とするためにお願いがあります。御自分が①キリスト者になった一番の理由②教会生活を振り返って何に一番影響を受けたか③今も続いている恵みと喜びは何か、について「自分史」を書くつもり(文章でなくて結構です)で、各々、心のうちでまとめておいて下さい。これは交流の時間の準備となります。ただ現状の報告だけに終始して「交流」するのはもったいなくありませんか。自分の歩んできた道が単なる個人的な履歴ではなく、教会の歩みの中にあることに気付いて初めて、教会の務めに就いている者の交流を目指せると思うからです。

 
連絡先   〒063-0842 札幌市西区八軒2条西1丁目3-1 
日本キリスト教会札幌琴似教会
TEL011-641-3088
FAX011-641-3096