ヤスクニ問題委員会のページ
トップへ
安保関連法案抗議声明

安保関連法案抗議声明を出しました。( 2015.9.25)

日本を「戦死者を出す国へ」変えた安倍晋三とその支持者に問う
「主よ、あなたは偽って語る者を滅ぼし、流血の罪を犯す者、欺く者をいとわれます。」
                 (旧約聖書:詩編第4編7節)

 すでに日本は、朝鮮戦争時の秘密裡の後方支援で一人の戦死者を出し、PKO活動後の 自衛隊員にも多くの自殺者を出している。NGO活動者からも、安保法制はかえって非軍 事的国際支援を戦争に巻き込むとの懸念が表明されてきた。その事実を無視して安保関連 法案を強行可決させたのは、戦争犠牲者を出してもかまわないという不道徳な態度である。

 「あなたたちは不幸だ。自分の先祖が殺した預言者たちの墓を建てているからだ。こうし て、あなたたちは先祖の仕業の証人となり、それに賛成している。先祖は殺し、あなたた ちは墓を建てているからである。」(ルカによる福音書第 11 章 47,48 節) もし戦死者が出ても靖国神社や護国神社にまつって「お国のための栄誉の死」「英霊」と あがめれば済むとでも思っているのなら、無責任きわまりないずる賢い魂胆である。今後、 確実に戦死者が出るであろう。その責任をどう取るつもりなのか。攻撃した相手に責任の すべてをなすりつけて、国家への忠誠心を煽り、士気を高めようとでもするつもりなのか。

 「未熟な者は何事も信じこむ。熟慮ある人は行く道を見分けようとする。」(箴言 14:15) ほとんどすべての憲法学者が違憲と明確に判断したのを無視したのは、あなたがたがそ れらの学者よりも頭が良くて賢いとでも思っているのか。傲慢というほかはない。要する に安保法制は、自分たちの国家主義的な政治的信念を強引に自己実現しただけの愚かな決 定にすぎず、何らの公的正当性を持ちえないことが今後明らかにされ、あなたがたは大恥 をかくことになろう。

  国内の、ヘイト・スピーチなどの人権侵害は放置し、深刻な原発・自然災害への対応は おろそかにしながら、「国民の生命と財産を守るため」という口実は、偽善もはなはだしい というべきである。また、武器の製造と輸出によって儲けようとする経済界の不健全な要 請に応じて、あたかも景気が回復するかのような麻薬的幻想をふりまいて住民をだますの も、歴史の審判には耐えられない策略にすぎない。

  もう一度言うが、安倍晋三首相とその支持者たちには、これからの戦死者の血の責任が 問われることを承知しておくべきである。 「何ということをしたのか。お前の弟の血が土の中からわたしに向かって叫んでいる。」 (創世記第4章 10 節)

2015年9月25日
日本キリスト教会北海道中会ヤスクニ・社会問題委員会
委員長 古賀 清敬
(連絡先:札幌市中央区北1西13、札幌北一条教会気付 ℡011-211-4454)
「今こそ平和を作り出すために」~戦後70年を覚えて~
 2016.8.15
 わたしたちは、戦後 70 年を迎え、集団的自衛権行使容認の閣議決定、特定秘密保護法お よび「安全保障関連法案」の強行採決という平和憲法無視の政治、福島の原発事故への対 処に表された人間軽視の経済政策、格差を固定して若年者と高齢者の生活を貧窮させる人 権侵害の諸政策に強い懸念を覚え、このような「平和」に対する脅威に対して、あくまで 反対することを表明します。 また、さまざまなデマ・恫喝・脅しによる嫌がらせにも屈せず、「戦争法案」に反対し、 デモを続けている中高生と教員、学生と学者、こどもを連れた母親、老若男女の市民、宗 教者、諸教会の一人一人の思いと行動に、心からの感謝と支持を表明します。これらの人々 こそ「平和をつくり出す者」であり、この国の戦後 70 年の歩みの最も善き実りを体現して いるというべきでしょう。 わたしたちは、この事態を評論しているのではなく、「平和をつくり出す者は幸いである」 という主イエスキリストの言葉を大切な規範としているのです。

 また、わたしたちは歴史 に向き合い、問うことを恥としません。何故なら、権力を嵩に着て、自分に都合の悪い過 ちを認めず、なかったと抹消する、あるいは事実を歪め責任を転嫁することは、混乱と戦 争の源となるからです。

 わたしたちは「日本キリスト教会信仰の告白」の冒頭で「わたしたちが主とあがめる神 のひとり子イエス・キリスト」と告白します。それは、主イエス・キリスト以外に服従す べき主人を持たないという意味です。これはわたしたちの決意であると同時に、歴史に対 する責任を伴う反省なのです。

 かつて、わたしたちは、その主人の支えと護りを信頼しきれずに、自分の手で「切れ目 のない対応」や「防御の手段」をもって教会を自分の財産のように守ろうとして、日本に 住む朝鮮の人々の教会を併呑合併し、朝鮮では教会とキリスト者に神社参拝を強要しまし た。戦後 45 年をかけてわたしたちは歴史に向き合い、真摯な一致した謝罪を行なうに至り ました。直接、文書を携えて当地を訪れた結果、韓国、共和国、台湾の諸教会から謝罪の 受け容れと和解を得たのです。

 もし、わたしたちが「あれは彼らの教会を守るためにしたこと」、「当時、国策に反する ことは出来なかったからやむを得ない」などと主張し、自らに都合よく無罪を決め込んで いたら、いまなお反目と嫌悪が続いていたでしょう。その経験からも、植民地支配と侵略 戦争を認め謝罪した村山談話、「従軍慰安婦」への国家の関与を認めた河野談話は、歴史と 正しく向き合い、被害を与えた近隣諸国からの信頼を回復するために必要な正しいもので あったと確信します。

 それだけに、過去の清算を曖昧にしたまま謝らないで済む方便を探すような「新たな首 相談話」は未来志向にはほど遠く、かえって信頼の回復を阻害し、平和への逆行となるに 違いないのです。

 戦前のこの国は数年に一度は軍事行動を起こし、大きく疲弊・荒廃しました。平和憲 法のもと、戦後 70 年の戦争に加わらない時期を経て、その疲弊・荒廃から立ち直って来た のです。逆に、戦後世界でも変わらずに、数年に一度軍事行動を起こして来たのはアメリ カ合衆国です。安倍政権は、躍起になって「安全保障関連法案」が戦争の抑止力となると 繰り返しています。しかしそれは、アメリカの戦争に常に加わり、日本全体をアメリカの 防波堤として差し出すということにほかなりません。矛盾という言葉の由来通り、そもそ も抑止力は軍拡競争を前提としていて、敵対関係を増幅させ、戦争の危険性を増大させる ものでしかありません。

また、政府の手によって、特定の外国の軍隊による侵攻の脅威が喧伝されています。「日 本を守るための切れ目のない備え」をするべきだと主張されます。しかし、2011 年 3 月 11 日の東日本大震災の時、自衛隊員は約 20 数万人が震災復興のために動員されています。い わば一番防備が脆弱だったその時期、特定の国が攻める気配を見せたでしょうか。むしろ 支援のための義捐金を贈って来ています。現在の政権がマスコミ報道を統制し、他方でヘ イト・スピーチを野放しにし、「従軍慰安婦」の問題をなかったことにしようともくろんで も、人間の尊厳や命に目を向けない傲岸な姿勢が真の信頼を得ることはありません。


 わたしたちは、戦後 70 年を迎えた今日の状況に、旧約聖書の詩編第 2 篇に記されている 状況を思い起こします。そこでは戦いの危機を騒ぎ立て、打算に満ちた「力の同盟」以外 に途はないと主張し合い、見せかけの安心をふりまいています。また、政権を担う者達は 新約聖書の使徒言行録第 12 章に記されているヘロデ王を思い起こさせます。反対する者を 排除し、おもねる者に讃美の声を上げさせて満足しています。しかし、わたしたちは希望 を失ってはいません。聖書にはそのような勢力や人物の支配は一時期に過ぎないことを示 しているからです。

 同時に、わたしたちは、一時期のことだからと、沈黙してよいと考えません。わたした ちは、キリスト者として、真の平和を求め「安保保障関連法案」の廃案と国会議員の現行 憲法の遵守を強く求めます。戦後 70 年の今年を悪しき転換点にしてはなりません。
2015年8月15日
   日本キリスト教会 北海道中会
      議長 八田 牧人
   日本キリスト教会 北海道中会ヤスクニ・社会問題委員会
      委員長 古賀 清敬  

 
靖国神社参拝への抗議文(2013.12) 

内閣総理大臣 安倍 晋三様 
2013年12月26日  
                       日本キリスト教会北海道中会  
                      ヤスクニ・社会問題委員会  
                       委員長  古賀 清敬  
 
宗教法人靖国神社への参拝に抗議する     
 貴職が本日、靖国神社に参拝したことは、憲法を遵守すべき立場を逸脱した故意の不法行為であり、断じて許されることではない。
 「国のために犠牲になった方々に哀悼の誠を示すのは当然」との理屈を、植民地支配と侵略戦争によって不公正な巨万の富を築いた人々の子孫の一人である貴職が主張することは、国民を犠牲にした先祖の罪を覆い隠そうとする欺瞞的な行為である。そのように先祖の罪悪を正当化するばかりか、さらに新たな富国強兵の統制経済によって財閥にのみ奉仕しようとする政策の一環として、かつての国家神道をも復活させようという間違った意図に対して、我々は断固として抗議の意を表明する。 以上。
 
  2013年度靖国神社問題全国協議会

詳しいご案内はここをクリック

    講 演  私が中国で戦った「聖戦」の実態
                   
ー 戦後日本の責任を覚えて ー    
  • 講師:日本キリスト教会教師 松本栄好 
  • 日時:2013年10月15日(火)19:00~21:00
  • 会場:日本キリスト教会 大森教会 東京都大田区大森北4丁目14番5号 ☎ 03-3761-9612
  • 主催:日本キリスト教会靖国神社問題特別委員会
       
 
 差別を問い、人権を考える旅夏期キャラバン
 
  • 集会内容:
    施行後1年・改悪入管法の問題点、在日外国人との共生についての講義
    講師 林 炳澤(イム・ビョンデク)氏 
    (自由学校「遊」共同代表、日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会共同代表)
  • 集会日程:
    2013年8月26日(月)夜 日本キリスト教団旭川豊岡教会
       27日(火)夜 日本キリスト教団留萌宮園伝道所
           28日(水)正午頃 札幌到着(解散地は参加者の事情により相談)
  • 見学:
    東川町江御発電所忠別川遊水地の朝鮮人強制動員労働跡地・遺骨発掘作業現地
    (8月27日日中)
  • 集合:
    8月26日(月)午後1時30分 
    北星学園大学駐車場図書館前(地下鉄東西線大谷地下車徒歩6分)
    打ち合わせ後、車に分乗して行きます。宿泊は会場教会です。
  • 参加費:
    5,000円 高校生以下2,000円(全日程)
    • 期間中の宿泊費・会費・交通費・旅行保険代を含んでいます。
    • 部分参加も歓迎。費用はご相談ください。
    • 当日申し受けますが、キャンセルの場合は3日前までにご連絡を。
[主催]

外国人住民基本法の制定を求める北海道キリスト教連絡協議会

(在日大韓基督教会札幌教会、日本基督教団北海教区、日本聖公会北海道教区、日本ルーテル教団北海道教区、日本カトリック教会札幌司教区、日本バプテスト連盟北海道地方連合、日本キリスト教会北海道中会)
 
 7.15公開学習会
日本キリスト教会北海道中会 ヤスクニ・社会問題委員会
 
  • 主 題: 『 良 心・信 仰 の 自 由 が 危 な い!』
              ~ 憲 法 改 悪 の 危 機 の 中 で ~
  • 日 時:2013年7月15日(月) 午後0時30分-4時
  • 会 場:日本キリスト教会 札幌北一条教会( 札幌市中央区北1条西13丁目)
  • 講 演:「信 教 の 自 由 と 改 憲 問 題 」
  • 講 師:谷 大二
         (日本カトリック教会さいたま教区司教  日本カトリック正義と平和協議会会長)
 
   
  • 協 賛:カトリック札幌地区正義と平和委員会
  • 参加費:無 料

    連絡先:〒073-0032 滝川市明神町1丁目4-29 日本キリスト教会滝川教会
           Tel 0125-23-3034   
 公開学習会

 日本キリスト教会
北海道中会ヤスクニ社会問題委員会・大会人権委員会・震災対策事務所共催
  
 

主 題:「教会は原発にどう向き合うか
       -福島原発事故とキリスト者の役割」


日 時:2013年6月10日(月)午後6時30分~8時30分
会 場:日本キリスト教会 札幌北一条教会
講 師:藤井創さん(酪農学園大学教授、日本基督教団教師)
参加費:無料


〈講師のプロフィール〉
日本基督教団教師。金城学院大学を経て、現在、酪農学園大学教授・宗教主任。
金城学院、酪農学園で17年間、学生たちと原子力をいのちの問題として学び続ける。3.11後は、福島原発事故に関する講演活動を教会や市民レベルで行っている。泊原発訴訟・大間原発訴訟原告。福島原発訴訟団会員。脱原発えべつミーティング主宰。原発体制を問うキリスト者ネットワーク会員。
  
 講演に先立って、中家牧師から大会震災対策事務所の活動報告がありました。
以下の写真は藤井創先生の講演の中で使われた映像です。
 
  
  
  
  
   
 抗議文(2013.4)

内閣総理大臣  安倍 晋三 様
靖国参拝した閣僚・政府関係者 様
 
宗教法人靖国神社への安倍総理の真榊供与、閣僚らの参拝に対して
抗議する
 靖国神社は、戦死者を追悼する公的な施設ではない。それは、戦争に駆り出された人々を本人・遺族の意思を無視して勝手にまつり、英霊として顕彰し、戦争を「神徳」として美化し、もって植民地支配と侵略戦争を正当であるかのように国民を欺くために利用されてきた。靖国神社参拝はまた、日本がかつての歴史的罪過を何ら反省していないことを内外に暴露する恥さらしの行為であり、各国それぞれの立場の違いという傍観者的態度の弁解はさらに許されない不道徳きわまりないものである。
 明白な憲法違反の行為に対して強く抗議するとともに、国民とアジアの戦争被害国に対して真摯な謝罪を行なうことを要求する。
          2013年4月23日
日本キリスト教会北海道中会
                      ヤスクニ・社会問題委員会
                        委員長  古賀 清敬
 公開学習会(2012)
 
  • 日 時 :2012年 7月16日(月)午後 0時30分~4時10分
  • 会 場 : 札幌北一条教会
  • 講 演 : 「東日本大震災被災支援活動から見えてきたこと」
  • 講 師 : 許 伯基(ホ・ベッキ) 在日大韓基督教会つくば東京教会牧師
  • 主 催 : ヤスクニ問題委員会・「教会と社会」委員会合同開催
講師の許 伯基(ホ・ベッキ)牧師は映像を用いて、講演してくださいました。写真右が許 伯基牧師です。

「今行かなければ絶対に後で後悔する」との思いで、イースター礼拝を終えるのを待って被災地へ!
「外国人被災者プロジェクト」のお米1キロ運動で集められたお米は、外国の方を探し出して訪ねる際、情報を提供してくれる仮設に住む人への手土産にも使われました。

日本語がわからないために苦労している人、ご主人を失っていて家族の中で孤立していた外国からの農村花嫁、それまでの仕事を完全に失い生きる術を無くした人…なぜ外国の人の支援なのか?の問いに「想像力を働かせてみてください」と許牧師。

お米には支援のための連絡先が記されています。
被災された方に向き合うための心構えも示されました。
ゴミではなく、「家財」。
ガレキではなく、「ご自宅」。
気持ちに寄り添うことの意味に気づかされました。

家の片付けを手伝う作業では、どんなに効率が悪くても、とにかく被災された方の思いに寄り添って、指示に従うことに努めたそうです。


  一緒に寄り添っているうちに、堰が切れたように話し出す人も…。吐き出すことで癒されることも多い事がわかりました。
時間を経た今は傾聴ボランティアも大切と教えられました。 
韓国料理にこだわった炊き出し。
家屋の泥出し作業では、小柄な女性が大活躍!
人間の手で作られたもの(倒れた電信柱と右下は線路)は全て破壊されてしまったのに、桜は見事に花を咲かせていた…。
この写真はあまりに印象的なので、新聞報道から拝借したそうです。
ワークショップでは、レスポンス、質疑応答、全体協議が行われました。

許牧師は最初に改革派東仙台教会のボランティアワークに実際に参加していましたが、様々な経緯を経て、NCC JEDROの一員として奉仕しています。

NCC JEDROはNCCJ(日本キリスト教協議会)とその加盟教団・団体によって、東日本大震災への対策機関として設立されました。JEDROの働きは、被災地の人々による人道的支援と復興のためのプロジェクトを、国際的でエキュメニカルな協力体制のもと、支援することを目的としています。
NCC JEDROが支援しているプロジェクトのひとつに東北ヘルプがあります。

許牧師からは、NCC JEDROの活動を通して浮かんできた問題点が指摘されました。又、実際の活動を通して見えてきたことも示されました。
教派や神学的スタンスを超えた協力関係の実現、被災された人に寄り添う志しの必要、人材不足(プロフェッショナリズムの不在)等。
各々の立ち位置や温度差が活動の妨げになる事も教えられました。

今回の経験は、「神からの宿題であり、日本のキリスト教会の成熟の機会でもある」との言葉で締めくくられました。
 2010年「“戦争責任を覚える日”を考える」集会報告
 
  • 4月29日(木)午前11時、旭川教会
  • 韓国併合100年の歴史から…キリスト者としてどう受け止めるか…
  • 道内 韓国・朝鮮強制連行遺骨発掘収集返還のビデオ上映
  • 講師 古賀清敬(日本キリスト教会宣教教師)


 朝鮮は始めから貧しかったのでもなく、近代化が遅れていたわけでもない。高宗(コジョン)皇帝は都市計画や金融・郵便・鉄道事業など積極的に近代化を進めていた。それを日本は「朝鮮は自力で近代化できず、独立の力もないから日本が助ける」という口実を内外に振り撒いて、植民地支配を強行した。その大きな要因は、日露戦争での莫大な借金返済や貧困対策であった。困難を克服して得たという東洋人の勝利が華々しく語られるが、国際的名誉以外に「実益」はほとんどなく、日本国民の不満は募っていた。その対策として、日本は、大国ロシアを打ち負かして世界の「一等国」に仲間入りしたという誇りを蔓延させ、さらに植民地を持つほどにまでなったという傲慢な気分が、日本人の国民意識(ナショナリズム)を醸成し浸透させた。このような最大の人権侵害の中で、日韓相互の関係の歪みが複雑化した。日本の側にも、差別を当然視するような支配者根性というべき、精神的歪みや社会制度的歪みをもたらした。
  このような朝鮮植民地支配の中で、日本のキリスト教会はどのような言動をとったのか。冷静かつ真剣に検証する必要がある。今だに、戦争責任・戦後責任は未清算である。その背後には、36年間の植民地支配によって日本人側にもたらされた歴史的罪過への鈍感さや対アジア認識への歪みがあって、日本人がまだ解放されていないという課題があるからだ。日本の教会はそのような課題の枠外にあると言えるのだろうか。たとえ未来の宣教のビジョンを語ろうとも、歴史の現実と向かわなければ石地に蒔かれた種のように根を下ろせず、鳥に食べられるのがおちである。
 明治以来日本のキリスト教は、「異質な他者」という政府と社会からの大きなプレッシャーに直面し、何とか日本社会に受け入れてもらえるようにとの願いが高じて、順応主義に陥ってしまったと指摘出来る。それでも日本社会は、キリスト教を正面から受容したとは言えないまま今日に至っているという事実は重い。日本における宣教の課題、東アジアのキリスト教会との交わりの回復と協力とを展望するに際し、この100年を振り返ることを欠かしてはならない。 私たち日本の教会は、真理の霊である聖霊の導きを祈りつつ、これらの課題の克服への取り組みを通しての福音の進展がもたらされる歴史的脈絡にあり、そこに希望もある。
  …講演の前に、北海道の韓国・朝鮮強制連行遺骨発掘・収集・返還のビデオ上映を観た。戦後 はまだまだ終わっておらず、日本政府と民間人とわれわれ教会人の無責任さが痛々しいほど心 に伝わってきた。
(共催…北海道中会道北地区全体修養会・日本キリスト教会靖国神社問題特別委員会、文責…編集人)
以上「664号ヤスクニ通信」より転載 
664号 ヤスクニ通信  2010年5月9日
発行  日本キリスト教会靖国神社問題特別委員会
発行人  加藤正勝   
編集人  川越弘
印刷・発行 千葉保 (旭川教会)〒070-0814旭川市川端町4条10丁目4-25  TEL&FAX0166-54-2837